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鎌倉アート&カルチャーMAP

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建築めぐり
近現代の建築を巡ろう (鎌倉駅周辺)

  • 鎌倉駅
    • 12分
  • 鎌倉国宝館
    • 7分
  • 神奈川県立近代美術館
          鎌倉別館
    • 10分
  • 鎌倉市鏑木清方記念美術館
    • 6分
  • 古我邸
    • 3分
  • 鎌倉歴史文化交流館
    • 9分
  • 鎌倉駅

鎌倉駅出発

鎌倉には明治から平成に活躍した建築家による建物があります。
それぞれの時代のモダンな鎌倉を味わってみてはいかがでしょう?

Spot.01

鎌倉国宝館

近代洋風建築の巨匠が、日本の伝統的な美を追求

鎌倉駅周辺

学芸員のおススめ!!

【しらす】
うわぁ~力強い、立派な建物ですね。
鎌倉市文化財課 学芸員 浪川幹夫
鎌倉国宝館は、日本銀行小樽支店や旧歌舞伎座を手掛けた岡田信一郎(1883~1932)の設計によって建てられ、1928年に開館しました。国の登録有形文化財に登録されています。
【小町】
そういえば、この建物の外観どこかで見たような……。
鎌倉市文化財課 学芸員 浪川幹夫
この建物の外観は、奈良の正倉院(しょうそういん)を模した校倉造(あぜくらづくり)風になっています。
1923年に発生した大正関東地震(関東大震災)を契機として大災害から貴重な文化財を保護するとともに、鎌倉を訪れる人々にこれらの文化財を容易に見学できるようにすることを目的として設立されました。
【小町としらす】
すごい。90年も鎌倉の文化財を守ってきたんですね。
7分

Spot.02

神奈川県立近代美術館
      鎌倉別館

開放的な美術館建築

鎌倉駅周辺

学芸員のおススめ!!

【小町としらす】
鎌倉の自然に溶け込むように建っている美術館だね。建物の魅力を教えてください!
神奈川県立近代美術館 学芸員 三本松倫代
鎌倉別館は、前川國男(1905~1986)の下で神奈川県立図書館・音楽堂(1954年)などを担当した建築家・大髙正人(1923~2010)の設計で建てられました。坂倉準三(1901~1969)が手がけた旧鎌倉館の軽快な印象と対照的に、瓦素材を用いた外壁タイルや、コンクリートを人の手で刻んで表情をつけた天井部など、重厚なボリューム感が特徴です。
【小町】
正面入り口上の突き出したところはなんですか?
神奈川県立近代美術館 学芸員 三本松倫代
2階のギャラリーの一部です。建物の高さを抑えながら展示面積を確保するためにこのような形になっています。
【小町としらす】
鎌倉の環境を考えて設計された建物なんですね。
10分

Spot.03

鎌倉市鏑木清方記念美術館

近代数寄屋造りで知られる建築家と日本画家の交流

鎌倉駅周辺

学芸員のおススめ!!

【しらす】
日本家屋の温かみのある館内だね。みてみて!あれ?このお部屋は何かな?
鎌倉市鏑木清方記念美術館 学芸員 今西彩子
こんにちは。この画室は、鏑木清方(1887~1972)の旧宅の二階にあった画室の部材をそのまま用いて忠実に再現したものです。
戦前、清方は東京に住んでおり、建築家の吉田五十八(いそや)(1894~1974)が手掛けた自宅の画室に愛着をもっていました。しかし戦災で焼失してしまい、戦後は鎌倉に移り住みます。1954年に邸宅を建築する際、かつての画室の雰囲気を模して取り入れました。
【小町】
どんなところに吉田五十八の建築の特徴が表れているのでしょう?
鎌倉市鏑木清方記念美術館 学芸員 今西彩子
船底型の天井、大きな窓や桟を少なくした障子に、日本家屋に開放的な明るさを求めた五十八の特徴がよく表れています。
【小町】
光がたくさん入ってくる画室。こういう部屋で作品を描いていたんですね。
6分

Spot.04

古我邸

大正時代の洋館で食事が楽しめます

鎌倉駅周辺

1916年、三菱合資会社(後の三菱財閥)の重役・荘清次郎(1862~1926)の別荘として、旧三菱銀行本店や丸ノ内ビルディングの設計を手がけた桜井小太郎(1870~1953)により15年かけ作られました。1923年の関東大震災で鎌倉の多くの建物が被害を受けた中、無傷だったそうです。その後は内閣総理大臣を務めた濱口雄幸(1870~1931)や近衛文麿(1891~1945)が別荘として利用しました。現在はレストランとして営業しています。

3分

Spot.05

鎌倉歴史文化交流館

ノーマン・フォスター事務所によるこだわり抜かれた個人住宅を活用

鎌倉駅周辺

学芸員のおススめ!!

【小町】
とてもモダンな建物ですね、見どころはどこですか?
鎌倉歴史文化交流館 副館長 高橋真作
当館の建物は、先進的な建築で世界をリードするノーマン・フォスターの設計事務所(フォスター+パートナーズ)が手がけたもの。2004年に個人住宅「Kamakura House」として竣工しましたが、その後鎌倉市が取得し博物館施設として改修しました。一部に光ファイバーが組み込まれた人造大理石など、随所に施された特殊な建築資材も見どころです。
【小町】
中も広々としていて、隅々まで見入ってしまいます。
9分