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ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』

ゴヤ版画『気まぐれ』『戦争の惨禍』

会場:神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
会期:2024年8月10日(土曜)– 10月20日(日曜)※展示替えあり

 

企画概要

鋭い眼差しで人間を描破し、近代の画家の先駆者と称されるフランシスコ・デ・ゴヤ(1746–1828)。彼の生涯は、隣国フランスの革命やナポレオン軍によるスペイン侵攻、それに対する民衆蜂起が続く激動の歴史とともにありました。自らはスペインの宮廷画家として地位を獲得しながらも、病により聴覚を失い、晩年に亡命したフランス、ボルドーで82歳の生涯を閉じました。
さまざまに価値や秩序が変転するなか、ゴヤが後半生に手がけたのが銅版画です。無音の世界で到達したそのモノクローム―光と闇の中には、人間に対する深い問いかけが刻み込まれているのではないでしょうか。本展では、ゴヤの四大版画集から『気まぐれ』と『戦争の惨禍』それぞれ80点を、前後期に分けてご紹介します。
 
特集:「1959―スペインにいった現代日本版画展」
「ゴヤ版画展」と併せて、日本におけるゴヤの受容を起点に、日本とスペインの間に展開した版画の交流の一端を辿ります。戦後の国際的な版画交流の黎明期、当館が1951年の開館以来、ピカソやゴヤなどの海外作家の版画展を開催する一方で、1959年にスペインで行った「現代日本版画展」に注目します。
 
 
展覧会の見どころ
1.ゴヤの傑作版画集『気まぐれ』と『戦争の惨禍』全点展示
全聾になったゴヤが最初に発表した版画集が『気まぐれ』(初版は1799年)でした。登場する魑魅魍魎(ちみもうりょう)の豊かな表情には、人間の愚かさ、おかしみが醸し出されています。一方、『戦争の惨禍』(1863年初版)は60歳を過ぎたゴヤが「戦争」という現実を見つめ、10年余りをかけて制作したものの、生前に発表されることはありませんでした。
アクアチント、エッチング、ドライポイントなど多様な技法を駆使した銅版画独自のイメージに、表現者ゴヤの真髄がうかがえます。
 
2.日本とスペインの版画交流
「ゴヤ版画展」の特集では、1959年にスペインで開催された「現代日本版画展(Grabados Japoneses)」に注目します。同展と、それに先駆けて当館鎌倉館の「スペインにいく現代日本版画展」に出品された村井正誠や上野誠、海老原喜之助などの版画や新資料を手がかりに、日本とスペインの間に交わされた作品と人の繋がりを辿ります。
 
 
休館日:月曜(8月12日、9月16日、9月23日、10月14日を除く)
開館時間:午前9時30分 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
観覧料:一般250(150)円/20歳未満・学生150(100)円/65歳以上100円/高校生100円
*()内は20名以上の団体料金です。
*中学生以下の方と障害者手帳等、ミライロIDをご提示の方(および介助者原則1名)は無料です。ミライロIDについて、通信環境等の影響によりタブレット等の端末画面で必要な情報が確認できない場合は、原本のご提示をお願いすることがあります。
*ファミリー・コミュニケーションの日(毎月第1日曜:9月1日、10月6日)は、18歳未満のお子様連れのご家族は割引料金(65歳以上の方を除く)でご覧いただけます。また同日は会話を楽しむ日「オープン・コミュニケーション・デー」となりますので、小さなお子様連れの方も遠慮なくご覧ください。
*その他の割引につきましてはお問い合わせください。
*最新情報とご来館に際してのお願いは美術館ウェブサイト等をご確認ください。

ギャラリートーク

日時 2024年8月24日(土曜)、9月21日(土曜)、10月5日(土曜)
各日 午後2時-2時30分
場所 鎌倉別館 展示室

詳細情報

美術館名 神奈川県立近代美術館 鎌倉別館
住所 〒248-0005 神奈川県鎌倉市雪ノ下2-8-1
電話番号 0467-22-5000
公式サイト http://www.moma.pref.kanagawa.jp/annex
開館時間 午前9時30分 – 午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日 月曜
入館料 一般250(150)円/20歳未満・学生150(100)円/65歳以上100円/高校生100円
アクセス JR横須賀線・江ノ島電鉄線「鎌倉」駅下車、鶴岡八幡宮・北鎌倉方面へ徒歩約15分、または鎌倉駅東口2番のりばから江ノ電バス(大船駅・上大岡駅・本郷台駅行き、約5分)で「八幡宮裏」下車徒歩2分
駐車場 駐車場はございません(障がい者用を除く)。障がい者用駐車スペースをご利用の方は、事前にご連絡ください。

地図情報