収蔵品データベース

朝顔と駅路の女(右隻)あさがおとえきじのおんな

明治44年(1911)

紙本墨画・裏打ち

142.3×167.8 ㎝

第5回文展出品作(二曲一双)の下絵。
「生写朝顔話」は近松徳叟が司馬芝叟の「蕣」をもとに書いた浄瑠璃で、天保3年(1832)に大坂稲荷文楽芝居で「生写蕣日記」と題して上演されました。
秋月弓之助の娘・深雪は、宇治の蛍狩りで宮城阿曾次郎と恋に落ちましたが、のちに縁談が起こり、その相手が阿曾次郎と知らずに家出します。流浪のすえに盲目となり、かつて阿曾次郎が詠んだ「朝顔の歌」を歌い門付をする身になります。本作は深雪が阿曾次郎を訪ねて彷徨する姿が描かれています。