MENUCLOSE
大正6年(1917)
石版口絵
36.7×26.2cm
『新演藝』第2巻第7号 口絵
岡本綺堂(1872-1939)作、明治44年(1911)初演の歌舞伎「箕輪の心中」に取材した作品です。吉原通いのためにお役御免となった旗本の藤枝外記(ふじえだげき)は、馴染みの遊女綾衣を吉原から連れ出し、箕輪にある乳母の家にかくまいます。やがて追手も迫り進退窮まった二人は心中します。
清方は、蓮の花を手にした綾衣が「花のなかでも白蓮は、気高い美しい花でござんすな」と言う場面を描きました。背景にある盆提灯の切子燈籠が、二人が心中した盆の時期を表しています。