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大正15年(1926)頃
紙本着色・軸
76.8 × 26.8 cm
勝川春章(1743~92)は清方が最も好んだ浮世絵師の一人です。「日本画の中で春章の女ほどゆたかな気品を備へてゐるものは無い」と言い、この《婦女風俗十二ヶ月》の「四月 杜鵑」については、「前向きの、心もちながし目にうつとりとした女の顔、画かれた美人の浜の真砂とある中で、古今を通じてのよき顔として、いつでも真つさきに思ひ浮ぶのはこの顔」と絶賛しています。
清方は、歌川派の流れを汲む師・水野年方から直接浮世絵を学んだことはなかったといいます。このような模写や臨模(透き写し)を繰り返すことで研究を重ね、明治開化期以降の清新さと江戸情緒をあわせもつ自身の画風を確立しました。