収蔵品データベース

藤懸静也博士像ふじかけしずやはかせぞう

制作年不詳

紙本墨画淡彩・軸

136.7×67.7㎝

藤懸靜也(1881-1958)の還暦を記念する肖像画(寿像)の下絵です。藤懸は浮世絵研究家として知られ、浮世絵を近代的な美術史学の観点から体系的に整理し、日本美術史のなかに位置付けた学者です。旧知の間柄だった清方ですが、肖像画の制作に臨み、本人の生活を知るために改めて自宅を訪問し、岩佐又兵衛の歌仙絵が壁に掛けられているのをみつけて作品の構想がまとまったといいます。下絵では箱火鉢にかざす手の所作などを描き直しており、苦心の跡が伝わってきます。下絵の左辺中に朱文長方印「清方」の印章が押されています。これとは別に顔の向きが異なる上半身のみを描いた下絵(紙本墨画淡彩)もあります。