収蔵品データベース

祇園林の歌人ぎおんばやしのかじん

昭和9年(1934)

紙本墨画・裏打ち

55.6×75.6 ㎝

昭和9年12月に開かれた珊々会第1回展に出品された作品の下絵です。江戸中期の女歌人お梶(梶女)が左手に懐紙、右手に筆を持ち、歌を詠もうとする様子を描きました。お梶は祇園社の鳥居の傍にある茶店の女主人であるとされ、「祇園梶子」と呼ばれています。江戸・東京の風俗を得意とする清方が京美人を描いた珍しい作品ですが、江戸時代の市井に生きた女歌人という主題は、清方好みといえるでしょう。