収蔵品データベース

花吹雪はなふぶき

明治36年(1903)

木版口絵

22.2×29.2cm

『文藝俱樂部』第9巻第5号 口絵

清方が一流文芸誌『文芸倶楽部』に初めて口絵を寄せた記念碑的な口絵。当時『文芸倶楽部』(博文館)と『新小説』(春陽堂)に掲載されると、人気挿絵画家になったことを意味しました。清方が私淑した渡辺省亭の木版に腕を揮った摺師・吉田市松がこの口絵を手がけました。
清方は、雛妓の前垂れの鮮やかな緋色に「遠い昔(渡辺)省亭の口絵に接して目を瞠つた、その紅色の燃え立つばかりなのを、ゆくりなく自分の絵に見たのであつた」(『こしかたの記』)と深い感慨を覚えたことを随筆に記しています。