収蔵品データベース

霽れゆく村雨はれゆくむらさめ

大正4年(1915)

紙本着色・屛風(六曲一双)

(各)182.0×368.0 ㎝

第9回文展に出品し2等賞首席を受賞した作品の下絵です。伝統的な浮世絵の息づいた新たな日本画を世に示し、日本画家としての地歩を固めた記念碑的作品といえるでしょう。
上野の不忍池で目にした夏の驟雨の光景に、江戸時代の女性を配して描きました。向かい風に傘を立てる女性の姿は、江戸時代中期の浮世絵師、鈴木春信が描く女性を思わせます。本画は関東大震災の時に焼失したため現存しておらず、この下絵と全体の構図を練った小下絵が貴重な資料となっています。