収蔵品データベース

橋田邦彦博士像(座像)(第三稿)はしだくにひこはかせぞう

昭和19年(1944)

紙本墨画・軸

128.8×40.1 cm

医学博士の橋田邦彦(1882-1945)は、大正11年(1922)から東京大学生理学教室教授を務めていましたが、昭和15年(1940)に文部大臣となり教授職を辞しました。その翌年、清方は、生理学教室同窓会の長谷川銕一郎から、博士の還暦祝いとして肖像画の制作依頼を受けます。橋田家を訪ねて写生をするなどしましたが、予定の期日には完成することができませんでした。その後博士は敗戦直後に戦犯容疑を受けて自決します。衝撃を受けた清方でしたが、百ヶ日に間に合うようにと制作を急ぎ、昭和20年(1945)11月4日にようやく完成に至りました。作品は遺族より東京大学へ寄贈され、同大が所蔵しています。