収蔵品データベース

いわし

昭和12年(1937)

紙本墨画・軸

73.5×82.7 cm

第1回新文展に出品した作品の下絵です。清方が少年期を過ごした明治初め頃、下町の女性が鰯売りの少年から鰯を買おうとしている情景を描きました。土間に脱ぎ捨てられたような履物、台所の棚に並ぶこまごまとした品々、路地裏に駆け込む子供の後ろ姿などが生き生きと描かれています。明治の市井の人々の暮らしに思いを寄せて描いた作品群の内、最初期のものです。