収蔵品データベース

歌舞伎の始かぶきのはじめ

昭和13年(1938)

紙本墨画・軸

132.0×55.7 cm

七絃会第9回展出品作の下絵。
出雲の阿国と名古屋山三の姿が描かれています。阿国の姿は、国宝《風俗図(彦根屛風)》の若衆の形を借りて表され、太刀の柄頭に肩肘をつき腰を捻り立っています。
阿国は歌舞伎の創始者とされる女性です。その出自は各種の伝説があり不明確ですが、女性中心の舞踊団を組織して全国を巡演し、慶長8年(1603)には京都で「かぶき踊」を興行して庶民、武士等幅広い人気を集めました。名古屋山三は山三郎ともいい、美男として知られ阿国の愛人となって阿国歌舞伎の演出家、役者を兼ねたと伝わります。