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明治30年(1897)
紙本墨画・軸
72.0×33.6 cm
清方の処女作《寒月》(当館蔵)の下絵で、深川木場を歩く目の不自由な瞽女と女児が描かれています。
清方の下絵制作の手順は、まず朱線を引いて次に墨で形を定めます。気に入る線が出ない場合は上に紙を貼って描き直しますが、本作ではそれをせずに橋の欄干部分等に見られる修正は朱で消されています。そして下絵が出来上がると、上に絹や紙を置いて線を写し取り、色を塗ります。下絵を見ると、清方がどこにこだわって描いたかが分かるとともに、流麗な線の運びを味わうことができます。