収蔵品データベース

慶喜恭順けいききょうじゅん

昭和11年(1936)

紙本墨画・軸

175.0×98.0cm

第1回改組帝国美術院展への出品作の下絵です。昭和10年3月に吉川霊華の遺作展がきっかけで慶喜が謹慎した大慈院の一室を見て、清方は本作の制作を思い立ったといいます。下絵では顔貌や裾の払いの部分に気遣い描き直している様子がわかります。背景はスケッチをもとに描かれています。清方は、明治末の頃、能舞台で隣座敷に静座する慶喜に一度だけ接したことがあり、その時、慶喜は60代半ばなので30歳若くしたイメージで慶喜の姿を描きました。