収蔵品データベース

戀女房こいにょうぼう

大正2年(1913)

木版口絵

27.7×22.4cm

泉鏡花著『戀女房』 口絵

吉原の引手茶屋の娘お柳(りゅう)は、地主の重松のもとに嫁ぎましたが、生まれ育ちの違いから義祖母などからつらい仕打ちを受けます。吉原が火事になり、実家と姉を失ったお柳は、焼け跡で火事を起こした赤魔婆(あかまんば)と対峙します。
この口絵は、昔なじみの火消しから借りた刺子半纏を着て、守り刀に、と渡された手鉤を持って焼け跡に立つお柳の姿を描いています。