収蔵品データベース

紅雪録こうせつろく

明治37年(1904)

石版口絵

21.1×26.5cm

泉鏡花著「紅雪録」『新小説』第9年第3巻

泉鏡花の「紅雪録」は、翌月発行の『新小説』に掲載された「続紅雪録」とあわせて一編となる小説です。正月休みに名古屋に住む姉を訪ねに来た深見千之助は、姉と会うことができず東京に戻ろうとしたところ、雪で列車が止まり、名古屋駅の待合室で赤帽〔註:駅で乗降客の手荷物を運ぶ人〕と酒を酌み交わします。千之助の話に登場した女、綾子は赤帽にとっても因縁のある相手であり、やがてそれが殺人事件に発展する、という話です。
清方は、切れた鼻緒を直そうとする千之助の前に綾子が現われ、別荘の中へ入るよう誘う場面を描きました。