収蔵品データベース

黒髪くろかみ

大正6年(1917)

紙本墨画・画巻

25.2×106.2 ㎝

小下絵とは、本画制作に入る前に全体の構図を把握し思案しやすくするために描く図で小下図ともいいます。
本作は第11回文展出品のために描かれ、本画は特選第一席となりました。明治座で上演された演目『伊達政宗』のなかで、七夕の日に広瀬川で髪を洗う市川松蔦の姿が清方に強く印象深く残り本作の主な画因となったほか、ルノアールの作品からも示唆を受けたといいます。作品に大きく描かれた竹林や清流は、目黒不動尊あたりの風景に取材したものです。