収蔵品データベース

夏すかたなつすがた

明治44年(1911)頃

絹本着色・軸

98.0 × 27.0 cm

団扇を片手にそぞろ歩きする江戸のうら若き娘が描かれています。
明治30年代から清方は挿絵稼業の一方で日本画制作においては浮世絵の研究に専心していきました。勝川春章の美人絵を愛蔵したほか、喜多川歌麿や鳥居清長等の浮世絵を収集し、描法や表現の研究を重ね新たな風俗画表現を模索します。そうした努力は後に大正の日本画壇で認められていきました。明治末に描かれた本作品からは、風俗画研究への志向をうかがうことができます。