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布晒しぬのさらし

大正末

絹本着色・軸

117.7 × 40.8 cm

布晒しとは木綿を日の光にあてて晒して白くすることをいい、雪の上に晒したり、川の水にあてた後に晒したりするものです。本作は白く長い布を宙に舞わせて踊る場面が印象的な歌舞伎舞踊「近江のお兼(通称:晒女(さらしめ))」に取材した作品です。清方は、両手に布を持って舞う姿(《布晒し》昭和10年)や、複数人で舞う様子(《布晒し》昭和17年)など、何度か同じ主題を描きました。
衣裳の鮮やかな朱色と対比するような白色の布が曲線を描いて宙に舞い、画面に動きを与えています。