収蔵品データベース

鷺娘さぎむすめ

昭和8年(1933)

紙本墨画・軸

128.9×39.2 cm

宝暦12年(1762)江戸市村座で初演の長唄の曲。五変化の「柳雛諸鳥囀」(やなぎにひなしょちょうのさえずり)の一部で、白鷺の風情をかりて恋に悩む女性の姿が描かれています。白鷺の精が町娘に化けて池のほとりに現れたあと、華やかな踊りをみせた後に地獄の責めにあうという変化に富むあらすじです。
鷺娘について、清方は「日本に生れて然も前段の歌詞や振にはいい詩が含まれてゐる。多く行はれる禽獣の擬人化の中でも殊に傑れたものであらう」(「雪」『鏑木淸方文集 四 春夏秋冬』)といい、踊りの美に魅せられて好んで取材しました。