収蔵品データベース

讃春さんしゅん

昭和8年(1933)

紙本着色・額

(各)32.5×75.3cm

昭和天皇の即位式を記念して三菱財閥岩崎家は日本画家5名に奉祝品の制作を依頼し、昭和4年から10年にかけて5双の屏風を献上しました。そのうちの一つの献上屏風の小下絵です。皇居前広場と隅田川が舞台となっていて、小下絵では皇居前広場の松と隅田川の清洲橋などのモチーフとして前景化している様子が伺えます。本画では右隻にタンポポが咲き乱れる芝生で春のひとときを憩う女学生が、左隻に明治の昔と変わらない水上生活者の母子のささやかな生活が描かれ、春の訪れを祝う日常の情景が絵の主題となっています。