収蔵品データベース

西田青坡作《汐汲》にしだせいはさく しおくみ

昭和期

紙本着色・色紙

27.3 × 24.0 cm

西田青坡(1895-1980)は、明治28年(1895)に東京深川に生まれ、伯父の西田伝助を通じて明治40年(1907)頃に鏑木清方へ入門しました。大正4年(1915)に郷土会が設けられると、同展を中心に活躍するようになります。主に同時代の風俗に取材し、明治から大正の下町の暮らしや季節の風物などを細やかに表現したことで独自の画境を開き、また昭和の生活風俗を写実的に表現する作画にも取り組みました。一方、画業を通して歌舞伎や長唄に取材した作品も描いています。
本作は七変化舞踊「七枚続花の姿絵」の一つである「汐汲」に取材しています。汐汲は能の「松風」による曲で、海女の松風が在原行平を慕い、形見の烏帽子と狩衣を着て汐汲みの振りをします。