収蔵品データベース

御殿場からの富士 スケッチごてんばからのふじ すけっち

昭和20年(1945)

紙・鉛筆淡彩

13.7 × 36.0 cm

清方は昭和20年(1945)8月2日、にそれまでの疎開先である茅ヶ崎(神奈川県)から御殿場(静岡県)へと再疎開します。この年67歳になる清方は、御殿場の草花や、民家、そして眼前に迫る富士や周囲の山々を日々写生して暮らしました。富士の秀麗な山容は疎開生活を送る清方の心を慰めたといいます。
随筆の中で、「頂上から裾野まで深い雪におほはれた月下の富士と、染めものの色名でいへば、藤ねずみ、ふじなんど、深川ねずみの色いろに染められたのとを忘れがたい。」(「御殿場高原」)と述べています。