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昭和2年(1927)
紙本墨画淡彩・軸
182.5×74.7 ㎝
第8回帝展に出品し帝国美術院賞を受賞した清方の代表作の下絵。
髪を夜会巻に結い上げ小紋に黒の羽織という最先端の装いに身を包んだ女性が、外国人居留地の明石町で、磯の香が満ちた秋風の冷たさに思わず袖をかき合わせる姿が描かれています。背景には対岸の佃島に停泊する船のマストが、墨線のみで表されています。下絵ではっきりと描かれた船の線は、後の本画で幾分か省略されました。本下絵で清方が修正を加えた箇所は、女性の頭部と船のマスト、朝顔の一部のみで、女性像はほぼ修正が無く、最初から線が決められていたことがうかがえます。