収蔵品データベース

瓔珞品ようらくぼん

明治38年(1905)

石版口絵

26.9×21.6cm

泉鏡花著「瓔珞品」『新小説』第10年第6巻 口絵

物語の舞台は琵琶湖近くの里。京都から東京に向かう途中、眼下に琵琶湖を臨む天人石を訪れた芦沢辰起(あしざわたつおき)の傍にうら若き婦人が現れます。婦人が手にした籠にある苺をもらえないかと頼む辰起。苺は辰起が面倒を見た少年、玄吉が10年前に起こした放火事件につながるもので、辰起はこれまでの出来事を婦人に語り聞かせます。
清方は、琵琶湖を遠景に、天人石の名の由来となる天女の姿を、手に苺の入った籠を持たせて描きました。