収蔵品データベース

夕霧阿波鳴渡ゆうぎりあわのなると

明治44年(1911)

紙本墨画・裏打ち

39.2×47.8 cm

遊女、扇屋夕霧と藤屋伊左衛門の情話を描いた近松門左衛門作の人形浄瑠璃『夕霧阿波鳴渡』に取材した作品の下絵です。夕霧は、江戸・吉原の高尾や、京都・島原の吉野と並ぶ名妓と謳われました。『夕霧阿波鳴渡』を改作した歌舞伎の世話物『廓文章』は、舞台となる揚屋の名を取って通称「吉田屋」と呼ばれています。遊女特有の髷である兵庫髷を結った夕霧太夫の背後にはその吉田屋の看板が描かれています。